司法権と行政権との関係

日本国憲法は三権分立主義をとり司法と立法及び行政がそれぞれに抑制と均衡を図っています。もっとも、我が国の憲法はその歴史的な沿革からイギリス型の議院内閣制をとる一方でアメリカ型の違憲審査権を裁判所に付与していることから正確には三権は対等ではありません。そこで、特に司法権と行政権の関係に於いて如何に抑制と均衡が図られているかの点に関しては、まず司法から行政については憲法の条文では81条の違憲審査権により内閣その他の行政機関の命令、規則、処分は裁判所によって憲法の適合審査を受けます。そして、解釈上の抑制として行政事件についても司法権が及ぶと解されています。これは裁判所に行政機関の処分に関する違憲審査権を認めていることと、76条2項で行政機関による終審裁判を禁ずる規定がされているものの行政裁判所に関する規定がないことによります。一方で、行政から司法に対しては憲法が要求する司法の独立の点から抑制すること自体が原則として否定されています。しかし、例外的に内閣には最高裁判所長官の指名権(6条2項)やその他の裁判官の任命権(79条1項、80条1項)が認められており、非常に限られた範囲に留まっています。