司法権の性質

司法権とは具体的な争訟について法を適用し宣言することによってこれを解決する国家作用です。そしてここに具体的な争訟とは裁判所法3条の「法律上の争訟」に於いて当事者間の具体的な権利義務または法律関係の存否に関する争訟であり且つそれが法の適用により終局的に解決することができるものを言います。その為司法の判断を仰ぐにはこれら2つの要件を満たしている必要があります。そして中にはこれらの要件を満たさないケースも当然あり、例えば判例に於いて具体的な権利義務の要件を欠くのものとして警察予備隊違憲訴訟や法の適用により最終的な解決できるという要件を欠くものには国の防衛や経済政策或いは学術上や宗教上など争いが挙げられます。そして、この司法権は本来的に裁判所に違憲審査権を有し議会や政府の活動をコントロールする性質がありますが、現実としてこれに包摂されない国家作用があるのかの問題が残ります。これには統治行為論と呼ばれるものがあり、ここに統治行為とは政治部門の行為うち法的判断が可能であってもその高度な政治性故に司法審査の対象とされない行為を言います。この統治行為論は通説的な見解では民主制の原理に内在する司法権の除外事由として肯定されてます。もっとも法の支配の実現手段としての司法権の重大な例外であることから立憲民主主義過程の維持や保全に関する人権に対して重大な制限にかかわる場合や他の理論で説明できる場合には適用すべきではないと解されています。