部分社会の法理

日本は、近代的な法治国家として、裁判によって物事を解決するシステムが確立しています。しかし、あらゆる争いごとを裁判によって解決することは、必ずしも妥当なこととは言えないものです。争いの内容によっては、当事者が解決することが望ましい場合も存在しています。部分社会の法理と呼ばれる考え方が、さまざまな場面で取り入れられているので、きちんと理解しておく必要があります。この法理が妥当している場合、裁判によって解決を図るということは、原則としてありません。

たとえば、地方議会に関する問題を挙げることができます。地方議会では、所属議員に対する処分として出席停止を命じる場合があります。この出席停止の処分の妥当性について、裁判所が判断するのは困難であり、当該地方議会に任せることが妥当であると考えられます。そのため、裁判に訴え出るということは認められません。ただし、地方議会という限定された組織であっても、除名処分という重大な処分が下された場合は、裁判で妥当性を審査することがあります。

また、大学における単位認定についても、同様のことが言えます。大学で単位を認定するかどうかは、各大学に委ねられています。しかし、卒業の認定に関しては、裁判による解決をする場合があります。